マニュアル・動画・AI
引継ぎマニュアルは「読む」から「聞ける」へ。動画とAIで残す方法
引継ぎのたびにマニュアルをつくっても、あとで開かれない。開いても、知りたいことが書いていない。そんな経験がある方は多いのではないでしょうか。
株式会社taiziiiの調査では、引継ぎの方法として多かったのは「口頭での説明」と「既存マニュアルの共有」(いずれも53.5%)で、専用のツールを使っている人は7.5%でした(出典)。多くの職場では、引継ぎはいまも「話して、紙を渡す」形で行われています。
この記事では、手順書だけに頼らず、動画マニュアルと引継ぎAIを組み合わせて、後任が「聞ける」状態をつくる方法を紹介します。
引継ぎマニュアルがうまくいかない3つの理由
- 書く時間がない 退職前の数週間は、通常の業務と引継ぎが重なります。丁寧な手順書を書き上げる時間は、ほとんど残りません。
- 判断が書かれていない 手順は書けても、「こういうときはどうするか」という判断は、文章にしにくいものです。
- 探せない マニュアルが何十ページにもなると、後任は必要な箇所にたどり着けません。結局、誰かに聞くことになります。
手順書・動画・AIの役割を分ける
3つを同じものとして考えず、役割を分けると、つくる手間も、使う手間も減らせます。
| 残し方 | 向いていること | 苦手なこと |
|---|---|---|
| 手順書(マニュアル) | 全体の流れ、判断の基準、チェック項目 | 細かい画面操作 |
| 動画マニュアル | クリックの順番、画面のどこを見るか | 目的の箇所を探すこと |
| 引継ぎAI | 「〇〇のときはどうする?」にすぐ答える | 手順書や動画にないことへの回答 |
動画マニュアルのつくり方
いちばん手間が少ないのは、引継ぎのミーティングで、退職する方に実際の画面を操作してもらい、それを録画する方法です。
- 1本は3〜5分に区切る 長い録画は見返されません。「請求書の発行」「入金の消込」のように、業務ごとに分けます。
- タイトルは「業務名+場面」にする 「請求書の発行|月末に一括で出すとき」のようにすると、あとから探しやすくなります。
- 話しながら操作してもらう 「ここは取引先ごとに違う」「この欄は空欄のままでいい」といった一言が、あとで効いてきます。
手順書は、動画から起こす
手順書をゼロから書く必要はありません。録画した動画を文字に起こし、手順と注意点に整理すれば、手順書の下書きができます。文字起こしや整理はAIでかなり省力化できるので、人が行うのは、抜けや誤りの確認と、判断の基準の追記です。
引継ぎAIで「聞ける」ようにする
手順書と動画ができたら、それをもとに質問に答えるAIを用意します。後任は、マニュアルを開いて探す代わりに、「A社の締め日は?」「値引きの相談が来たら?」と聞けば答えが返ってきます。
引継ぎAIをつくるときに大事なのは、次の2点です。
- 答えの根拠を示す 「手順書『請求書の発行』より」のように、どこに書いてあるかを示せば、後任は元の手順書や動画で確かめられます。
- わからないことは「わからない」と返す 手順書や動画にないことをAIが推測で答えると、誤った対応につながります。
更新の仕方を決めておく
マニュアルは、業務が変わると古くなります。動画を業務ごとに区切っておけば、変わった業務の動画を1本撮り直すだけで済みます。手順書と引継ぎAIも、その動画にあわせて更新します。更新を誰が担当するかを、引継ぎの時点で決めておきましょう。
まとめ:残すのは「読むもの」より「聞けるもの」
手順書は全体の流れと判断の基準、動画は画面操作、引継ぎAIは質問への回答。役割を分けて残すと、引継ぎにかける時間を抑えながら、後任が困らない状態をつくれます。
引継ぎ代行プラスでは、退職する方とのオンラインの引継ぎから、マニュアル・動画マニュアル・引継ぎAIの作成までを私たちが担当します。